偽りのポジティブさは、むしろネガティブである。



このタイトルはこの論文の中に出てくるワードで、いくらポジティブ感情に力があるといえど、偽りのポジティブは、ポジティブというよりむしろネガティブな可能性があるという…。
「Positive affect and the complex dynamics of human flourishing」 Barbara L Fredrickson 2005

前回のブログでは、ネガティブ感情より多いポジティブ感情を感じることの大切さをお伝えしました。
そして「わたしもなるべく前向き考えるようにしよう。」と思った矢先、偽りのポジティブがむしろネガティブであると言われるとせっかくのやる気を削いでしますように思いますが(++)

これがいったいどういうことなのかというと、
不自然な笑顔や現在の状況から切り離された笑顔は、
信頼性を失い(Frank, Ekman, & Friesen, 1993)、
ネガティブ感情を感じた時と同様の脳の局所活動や異常な心臓機能が現れることがあるようです。( Ekman, Davidson, & Friesen, 1990 ) ( Rosenberg et al., 2001 )

子どものよい行動を促す際に用いられる方法の「具体的にほめる」の実践でも、心をこめて伝えることが重要だとされていて、ほめることに慣れていない人が子どもをほめてみると、初めのうちは子どもに怪しまれたり気持ち悪がられたりしてしまうことがあるのも、この「偽り」の作用なのかなと。

子どもをほめることに困難を感じる人の中には「自分がほめられたことがなく、言葉にするのに違和感や抵抗感を感じる」という人もいます。

しかし、続けていくことで大人も子どもも慣れていき、大人は自然に伝えること、子どもはそれを受け入れることができるようになっていきます。

慣れないことに挑戦すると、初めはぎこちなくなると思います。
それが伝わって不信感をあらわにする子もいると思います(++)
しかし続けることで、自分にとってどんな言い回しが自然なのか、相手にとってどんな伝え方が心地いいのか、少しずつそれが見えてきます。

どうしてもほめることに抵抗のある人は、子どもと一緒に楽しめることを考えて、会話すること、遊ぶことも方法です。

偽るためのポジティブではなく
お互いの良い変化を求めて私たちが挑戦する「弟にお菓子を分けてくれてありがとう」のような、ぎこちないポジティブな言葉は
一時的に起きるネガティブ現象とは比にならない、良い関係や強い絆を作ってくれると私は信じています。

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