困難なことがあっても適応できる、へこんでも回復できる力「レジリエンス」を鍛える方法

以前の記事「同じ出来事が起きても人によって感情や行動が異なるのはなぜ?」で疑問にあげたことの続きになります。

今回の内容は以下の2つです。
・研究の紹介
・レジリエンスの鍛え方

研究の紹介
ハワイのカウアイ島に出生した子どもたちを40年間追跡した研究*では
困難なリスクや逆境がある状況で育ったこどもたちの多くが学習の問題や非行問題に陥ったもの、3分の1の子どもは、困難な状況ではない子どもたちと同様の発達を見せました。

同じように困難な状況にあっても不適応に陥る子とそうでない子がいる ということです。
不適応に陥らなかった要因のひとつは「自分を大切にしてくれる人がいた」ことです。

自分のことに敏感に対応してくれる人
信頼できる人
好きな先生
自分を気にかけてくれる人
困ったときに相談できる人
などです。

このような人がいてくれることが、一人の人生にこれほど大きな影響を与えるということです。

私たちが子どもにとってこのような存在になるためには、
一緒に遊ぶ、子どもの話をきく、お互いに心地よいスキンシップをとるなどの方法があります。
兄弟や生徒たちに同じように関わっても、子どもによって満足感に違いが出るのは、ひとりひとり感じ方の違いなど、個性があるのかなと思います。
その子にとって必要とする関わり方や関わる時間があると感じますので、実践と観察で調整が必要です。

レジリエンスの鍛え方
そして今回の記事のタイトルにもあるように、レジリエンスは鍛えることができますので、その方法も少し紹介しておきます。

今回紹介する方法は、ポジティブ心理学で有名なイローナ・ボニウェル博士のレジリエンス・プログラムです。
レジリエンスを鍛えるには自分の強みを知っていることが大切で、そのために具体的に以下のことを考えます

「私は〇〇」
  例:私は優しい、私は面白い

「私は〇〇ができる」
  例:私はお手伝いができる、私はひとりでトイレに行ける

「私は〇〇を持っている」
  例:お母さん、大事にしているぬいぐるみ、自分が作ったお気に入りの作品

「私は〇〇が好き」
  例:ボール遊び、お絵描き、トランプ

自分で分からない時は、信頼できる人にも聞いてみます。
子どもが自分について分からないときは、気付けるように私たちが伝えていきます。

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*1「The Resilient Self: How Survivors of Troubled Families Rise Above Adversity.
Villard Books.」Wolin, Steven J. & Wolin, Sybil (1993)

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